薪ストーブってなんかカッコいい。憧れる。
とは思うものの...
実際どうなの?
街中で使えるの?
薪ってどうやって入手するの?
実際使ってどうなの??
周りに使ってる人もいないから聞けないし。ネットで情報収集するしかない...
なんて方も多いのでは?
今回は、現役薪ストーブユーザーの僕・まーさんが、6シーズン実際に使ってみた経験から、メリットとデメリットをぶっちゃけたいと思います。
薪ストーブの導入に悩むあなたの参考になれば、嬉しいです。
目次
薪ストーブによるメリット
細かく言うと、薪ストーブのある生活でのメリットは、実はもっとたくさんあるのですが、ここでは、僕が感じている最も大きなメリットをご紹介します。
とてつもない暖かさ
最初に感じたのは...
『何?この暖かさ!』ということ。
冬場、冷たい風に吹かれながら、夜道を歩いて冷え切ったからだで明けた玄関。一歩入った瞬間の幸せよ…
そう、薪ストーブは、部屋ではなく、家全体が温まるのです。
これ、エアコンだと結構電気代かかるし、部屋の中乾燥して喉がガラガラ・・・
薪ストーブに水を入れたヤカンでも置いておけば立派な加湿器!部屋の乾燥も防げます。
※家全体を温めるには、家の広さと薪ストーブの容量等が関係してきます。
我が家では約35坪の家全体を、家の中心部分に設置した、バーモントキャスティングス社のアンコール1台で温めてます。
暖かすぎて、猫もやる気をなくします(笑)
炎による癒し効果
実は炎の癒し効果は絶大です。
ゆらゆらと揺れる炎の波形には、1/fゆらぎが含まれているそうです。
なので、人はゆらめく炎を見つめているだけで、不思議と精神的に落ちつくという実験結果もあります。
※実際に関西学院大学の実験でも、暖炉の火の前にしばらくいた被験者は、リラックス感や人生への肯定感が上昇したことが確かめられています。
実際、ストーブ炉内で揺らめく炎を見ていると、それだけで1日の疲れが取れ、身体が軽くなるような気さえします。
また、炎の持つ非日常感も、何とも素敵なんですよね...
これは、エアコンでは味わえない奥深い豊かさかなと思っています。
家族の団欒・絆を深める強烈なツール
これは私自身というよりも、家族としてのメリットなのですが…
薪ストーブの周りには、自然と家族が集まってきます。
そして、何となく、穏やかな空気が流れ始めます。
実際、我が家は冬場の喧嘩は、夏場に比べて断然少ないのです 笑
また、食後、炎を囲んで何となく過ごしている時って、どうしても自分の心の内がぽろっと出てしまうんですよね...
自分が子供の頃、絶対に親には言えなかったことでも、ここならぽろっと言えてしまう。そんな雰囲気があるんです。
実際、うちの小4息子は、好きな女の子のことなどを恥ずかしそうに話してくれますし、そんな話を父親にしてくれるのが、僕としてはとても嬉しかったりします。
家族って、黙っているとどうしても気持ちのすれ違いが起きたり、そのすれ違いが、気付けば大きな溝になってしまっていた、なんてことも少なくないと思います。
薪ストーブは、我が家では家族の絆を深めるツールになっていることも確かなのです。
妻がご機嫌
僕の妻は、冬場あまり怒りません 笑
その理由は、やはり薪ストーブにあるのではないか?と僕は思っていて 笑
冬場は、言ってみればキッチンがもう1つあるようなものなので、黒豆煮やカレーなどの煮込み料理は、キッチンで仕込んだ後、そのままストーブにかけておけば、一晩程で驚くほどおいしく仕上がります。
また、灰受けをうまく使った焼き芋なんて絶品です。
遠赤外線効果とやらは絶大で、ほぼ放置でその辺のスーパーの安いサツマイモが、絶品スイーツに早変わりです。
子どものオヤツにも最高!
これは妻の機嫌も良くなるわ 笑
そして...
週末、私の手が空いている時などは、ピザを焼いたり、ちょっと頑張って仕込みをすれば、ソーセージなどの燻製までできちゃいます。
ソーセージを作った時の子供達の顔。目なんてキラキラしていて。
父としては、自分が子供の頃にしたかった体験をさせてあげられてるのかな、なんて気持ちにもなってしまうのですが、どうやらそれは妻も同じようです。
素敵な仲間との出会い
薪ストーブを導入してから、新たな出会いもありました。
僕が薪を作りに行っている薪づくりの会は、同世代からおじいちゃん世代までいて、皆ほとんどが薪ストーブユーザー。
薪割りをしたり、チェーンソーをつかって樹を切ったりしながら、気持ちよく同じ時間を過ごしています。
薪ストーブとの出会いは、生まれや年齢を超えて、僕に素敵な友人と人生に深みを持たせてくれました。
子供目線でのメリット
実は、我が家の子供達(小4息子、小2娘)にも聞いてみました、『薪ストーブがある我が家で良かったと思うことは?』と。
その結果、子供なりに面白い意見が飛び出したので、ご紹介します。
小学生から見た、薪ストーブの嬉しい!ところ
・火おこしの迫力がたまらない(男の子ならでは!)
・温かいうえにみんなでハフハフしながら食べる焼き芋やピザ、パンやマシュマロが最高
・地震の時でも使える(意外にもしっかりした目線!)
・薪割りがおもろい(最近、薪割りにはまっている我が子達...)
・濡れた物がソッコー乾く
・すげー大人が周りにたくさん。DIYの師匠とか、チェーンソーアートの職人さんとか(どちらも薪づくりの会で出会った人生の大先輩)
・毎日キャンプ気分で楽しい
・猫も人も関係なく温まれる(子どもってこういった目線も持ってるんですね…)
などなど。
子供目線でも、メリットはたくさんあるのですね。
これは導入した父としては、嬉しい限りです。
薪ストーブによるデメリット
もちろん、薪ストーブはメリットだけではありません。
実際に使ってみて、大変だなぁと思うこともあります。
ここでは、僕が実際に使ってみて、大変だなぁと思っていることについてご紹介します。
スイッチ一つで点火はできない
当然ですが、薪ストーブにはスイッチはありません。
特に極寒の地ではない我が家では、夜通し火をつけているというわけではありませんから、ほぼ毎朝、火を起こすところから朝が始まります。
実は我が家では、この仕事は僕の仕事ではなく、家族で最も早起きの妻の仕事なのです。
僕の妻は超できた妻なので、ほぼ毎朝、僕が目覚める前に火をおこし、家を温めておいてくれます。
というか、たぶん、火おこしが楽しくて僕に役を取られたくないんだと思います(笑)
最近ではもう慣れたもんで、5分もあればストーブ内に赤々と大きな火が燃え上がってる状態に持っていけるそうです。
が、最初は苦労したそうです…
15分経っても火が上がらない、30分置いて気付いたら消えてた...
なんてこともザラにあり、そんな時は僕も手伝っていましたが、薪が乾ききっていなかったり、外気温との関係で、薪ストーブ庫内にうまく上昇気流が作れなくて、煙が部屋に充満してしまったり...
最初はそんな失敗も何度かありました。
毎朝の火おこし、慣れるまでは大変かもしれません。
メンテナンス
これ、割と手間&超重要です。
日々のメンテと、シーズン毎のメンテがあります。
◆日々のメンテ
薪を燃やせば当然灰が出るので、毎日~数日に1回は灰の掃除が必要です。
といっても、熾きが消えストーブが冷えた状態で、炉内の灰を灰受けに落としそれをバケツに移してあげるだけなので、慣れてしまえば5分もあれば十分おつりが来ます。
あと、扉のガラスに煤がついて来たら、メラミンスポンジで掃除します。(当然、冷えた状態のときに!)
◆シーズンごとのメンテナンス
シーズンが終わった後か、シーズン前に、煙突掃除、ファイバーロープの交換、ストーブ表面の補修、炉内のネジのグリスアップなどを行います。
特に煙突掃除は、煙道火災の予防に重要です。
ちなみに、自分でやると大変だったら、薪ストーブを購入したお店にメンテナンスをお願いするのもありだと思います(有償です)。
僕は、割りとこういう作業が好きなので、1年目はお店にお願いしてやってもらい、その時メンテナンスのやり方を覚えて、2年目からは自分でやってます。
自分に無理のないやり方を考えれば、大丈夫です!
暖房器具としては高価
薪ストーブは、暖房器具としてはかなり高価です。
例えば、一般的な暖房器具として...
・エアコン1台 約15万~20万円(一般的な20畳用)
・石油ストーブ1台 約3~4万円(一般的な20畳用)
・オイルヒーター1台 約2~4万円(一般的な20畳用)
と比べて...
我が家の薪ストーブは、
・本体 約40万円
・煙突 約40万円
・工事費 約20万円
しました...たっか!!!と思いますよね?!
しかも我が家の場合は、①家の新築時に導入、②煙突がまっすぐで最短距離、といった理由で、煙突代、工事費共に激安です。。。
ただし...
・各部屋にエアコンを付けたら、エアコンは何台要るでしょうか?
・それを補うための石油ストーブや、オイルヒーターを足したら、どうなるでしょうか??
・また、電気代は??
なんてことを考えていくと...
家全体をたった1台で温めてくれて、電気代ゼロの薪ストーブが高いか否かは...
考えようによりますよね 笑
薪の調達と置き場所が大変
今は、インターネットなどでも薪を購入することが可能です。が、1シーズン分すべて購入しようとすると結構お金がかかります。
我が家は、1年目は、薪の調達が間に合わず、すべて購入しましたが、1シーズンで10万円近くかかりました...
なので、コストを考えると、自分で薪を調達することが必要です。薪ストーブを導入する前に、薪の調達方法を、考えておくことをお勧めします。
で、ここで問題なのが、薪にする原木をどうやって調達するか?です。
山間部に住んでいる方は、間伐材などを調達することができそうですが、そうでない方は、ここが一番のネックになると思います。
僕の知り合いは、町内の桜並木を切ったときや、神社の木を切ったとき分けてもらっているそうですが、タイミングが合わないと難しいですよね。
で、僕の場合は、薪づくりをしているNPO法人の会員になって薪づくりをさせてもらってます。探せば皆さんのご自宅の近くにも、薪づくりの会みたいなのがあるかもしれません。
あと、薪づくりには、通常、チェーンソー、斧などが必要になるので、それらの道具を購入し、自分で使えるようになることが必要です。
その辺りの安全管理などは徹底する必要があります。
また、薪は、木を切ってすぐに使えるわけではありません。
必ず、少なくとも1年は乾かす必要があります。湿気の多い地域や、風通しの悪い場所ですと、2年以上も乾燥期間が必要な場合があります。
その間、切って割った薪を、おいておくスペースが必要になります。
我が家は有難いことに、雨の少ない東海地方で、かつ相当風通しの良い場所なので、1年程で作った薪が乾燥します。
このため、約10立米の薪棚で済んでいますが、もう少し乾燥期間が必要な場合、その倍、3倍と、薪棚が必要になってきます。
暖房器具として薪ストーブをメインで使われる場合、このあたりの熟慮が必要になります。
※我が家の場合、薪ストーブを利用するのは11月頭頃~3月末頃までの約5か月間、暖房器具は薪ストーブ1つです。この期間に、約10立米の薪棚に詰めた薪をほぼ使い切る形で運用しています。
欲が出る
薪ストーブは、インテリアとしても存在感抜群です。
そうなるとやっぱり、欲しくなるのが周辺アクセサリー。
エコファンだったり、室内薪棚だったり、ファイヤーバードやスチーマー、クッキングスタンド、ハウスラグ...カッコいいのが欲しくなる 笑
そしてまた、あるんですよね、ぴったりのアクセサリーが... 笑
ついでに、巻き造りの道具として、斧やチェーンソーはもちろんのこと、ログキャリーやログキャリーエプロン...
もう、数限りなく欲しくなるんです!!
そこは...僕は妻と相談しつつ...
欲を出し過ぎず、少しづつ揃えているところです 笑
オール電化認定されない
薪ストーブを導入すると、恐らくどの電力会社さんでも、オール電化認定はしてくれません。
特に新築の場合、職員さんが目視に来られるので、敷地内に薪棚はあるわ、屋根から煙突が出てるわ、、、ってなるとまぁ間違いなくオール電化認定はしてもらえません。
従って、月々の電気代は、オール電化住宅よりは少し割高になってしまいます。
子供目線で見たデメリット
ここでも、我が家の子供達(小4息子、小2娘)に聞いてみました、『薪ストーブがある我が家で困ったと思うことは?』と。
やはり、子供なりに面白い意見が飛び出ました。
小学生から見た、薪ストーブの困った!ところ
・猫が近づくとハラハラする(ペットがいるお宅の場合は、ペットが薪ストーブを理解するまでは要注意です)
・マシュマロを焼く時などに、熱すぎて火傷が怖い時がある(あまりに高温の時は、前面ガラスを開けるとものすごい熱気がきます)
・洗った上靴を放置しすぎると焦げる(一度、実際にやってしまったことがあります 笑)
と、子どもから見ても、まぁこんな困ったことも、あるにはあります 笑
これから薪ストーブの導入をかんがえている方は、メリット、デメリットの参考にしてみて下さいね。