初心者のための薪作り講座

薪の作り方。全体的な流れを知ろう!【初心者のための薪作り講座③】

第3回目となる今回は、実際に薪を作る際の流れについての内容です。

材料となる木はどんな状態のものを調達するか、どこで薪作りをするかなどによって、飛ばす工程や若干順番が入れ替わる場合がありますが、全体の流れを知って薪作りのイメージを知っていただければと思います。

あと、各工程で必要な道具や、あると便利な道具なども紹介しますので、参考にしていただければ幸いです。

 

第3回で学べる事

・薪作りの際の全体的な流れ(工程)

各工程の作業内容

・各工程で必要な道具、あると便利な道具

・要注意ポイントや安全作業のポイント

など

 

 

薪を作るための全体的な流れを知ろう

1.保護具の着用

薪作りは、基本的にチェーンソーを使った作業です。チェーンソーは、ちょっとしたことでも大きな怪我につながる恐れがある道具なので、使用の際は適切な保護具を着用してから作業するようにしましょう!

チェーンソー作業で怪我が多いのが『手』と『脚・足』、そして怪我をしたときに致命傷となり易いのが『頭・顔・目』

チェーンソーを扱う場合、最低でもこのあたりの保護具は着用して作業することをオススメします。

 

必要な保護具

手の保護具:切断防止機能付きのチェーンソー作業用手袋 や 防振手袋

脚の保護具:チェーンソー防護ズボン や チャップス

足の保護具:チェーンソーブーツなど

頭・顔の保護:ヘルメット(シールド、イヤーマフラー付がオススメ)

目の保護:保護メガネ、ゴーグル

 

2.木の伐採

伐採の様子

薪を作るためには、まず必要なのが材料となる木を調達することです。

この材料となる木を調達する際、『伐採されて倒れている木』などを調達できる場合は、この工程は不要ですが、『地面から生えている立木』を材料とする場合は、木を伐採する必要があります。

自分で木を伐採できるようになると薪調達の幅が一気に広がりますので、いつかはやってみたい作業ですね!

 

①木の伐採の作業内容・手順

木を伐採するためには、

まず、木を倒す方向の根元付近にチェーンソーを使って『受け口』を作ります。

その後、受け口の反対側から『追い口』となる切れ込みを入れ(※必ず、蝶番の役目となる『つる』部分を残すように切る)、

最終的には、追い口にプラスチックくさびを打ち込んで狙った方向に木を倒します。

簡単に書きましたが、狙った方向に倒すのが難しく、ロープ、滑車、チルホールなどを使って伐採を補助すると安全に狙った方向に倒すことができます。

受け口追い口イラスト2

 

②木の伐採で必要な道具、あると便利な道具

使用する道具

【必須】

①チェーンソー ②保護具(冒頭で紹介したもの) ③プラスチックくさび ④ハンマー

【有ると便利なもの】

①ロープ、ワイヤーロープ ②滑車 ③ウインチ類(チルホール、パワーウインチ、プラロックなど) ④梯子、脚立 ⑤フェリングレバー ⑥木回しベルト ⑦のこぎり

 

安全作業のためのポイント

木の伐採作業は、薪作りの中で最も危険を伴う工程となるので、決して初心者の方が知識無しに手を出してはいけない工程です。

また、趣味として個人的にチェーンソーを使いたい場合は、特に資格は必要ありませんが、正しい知識を身に着ける意味で労働安全衛生規則で定められている特別教育『チェーンソーによる伐木等特別教育』受けることをオススメします。

少なくとも、必ず知識・経験の豊富な方と一緒に作業するようにしましょう!

 

3.枝払い

枝払い

伐採した木から薪となる材料を切り出すために、幹から枝を切り落とす『枝払い』を行います。

個人的には、この枝払いが薪作りの作業の中で1・2を争う楽しみな作業です。

まるで、自分が大きなマグロをさばいている職人になったような感じで作業に没頭してしまいます(笑)

 

①枝払いの作業内容

まず、チェーンソーやのこぎりを使って、幹から枝を切断します。このとき、枝の根元から綺麗に切断しておきましょう!

そして、枝部分も薪として使うことができるので、太い枝から細い枝を綺麗に切断・分別すると無駄なく薪となる材料を採ることができます

枝払いを丁寧にしておくことで、この後の『玉切り』作業が効率的に行えますよ!

 

②枝払いで必要な道具、あると便利な道具

使用する道具

【必須】

①チェーンソー ②保護具(冒頭で紹介したもの) ③のこぎり

【有ると便利なもの】

①プラスチックくさび ②斧、鉈

 

安全作業のためのポイント

伐採作業と同様に、枝払いの作業も危険を伴う作業となるので十分注意を払って作業しましょう

特に、倒れた木は、重心が不安定なことがよくあり、枝を切断したことでバランスを崩して転がってきたり、切った枝が鞭のように弾かれ飛んでくることがよくあります。

飛んできた枝や、木が転がってきたときのエネルギーは凄まじく、顔や体が当たったり、転がってきた木に足などが挟まれると大きな怪我につながってしまうので十分注意してください。

危険を回避するための作業のポイント

危険を回避するために、枝払いを始める前には、以下のような点をきっちり確認することが重要です。

・倒れた木はどの部分で力を受けているか?(特に太い枝に注意)

・切ったときに弾かれそうな枝は無いか?

・枝を払ってバランスを崩した幹が転がってくる場合、どの向きに転がってくるか?

・枝を払うと、力を受ける位置が移動するので、枝を払う度に木の状態を確認すること。

また、作業するときは、思わぬ怪我から避けるために、以下のような点にも注意を払います。

・木に対して、自分が作業するときの立ち位置に注意。(←転がってきた木や、飛んできた枝にぶつからない位置で作業する)

枝払いは1本の木に対して、1人が作業をする。(←複数で枝払いをすると、予想に反した方向に転がってきたりします)

 

4.玉切り

玉切り

枝払いした後は、薪割りするために一定の長さに切り揃える『玉切り』の工程です。

第1回の講座で説明した通り、ご自分の薪ストーブで使い易い長さに切り揃えます。

 

①玉切りの作業内容・手順

効率的なやり方は、まず、幹・枝に一定の間隔(自分で決めた薪の長さ)であらかじめ印を付けてしまいます。

印は、チョークで付けても良いですし、チェーンソーで少し切れ目を入れるのでもOKです。

印がつけ終わったら、印を付けた箇所を順にチェーンソーで切断していきます。

因みに、この段階で薪1つ分の長さに切断してしまうと、この後の運搬が大変になるようであれば、ひとまず2本分や3本分の位置で切断し、車の近くまで運搬してから再度1本分の位置で切断すると運搬が楽になります。

 

②玉切りで必要な道具、あると便利な道具

この作業、結構重労働になるので、できるだけ効率的に進めるために小道具を準備しておくことがオススメです。

その作業効率化に欠かせないのが『定尺棒』です。定尺棒があるのとないのでは格段に作業効率が変わりますよ!

『定尺棒』は、自分の薪の長さに合わせた切った(あるいは印をつけた)棒のことで、適当な棒などを用いて自作します。

因みに、自然の中で使うことを考えて目立つ色にしておくことをオススメします。目立たない色の定尺棒だと、作業中見失ってしまうことがよくあります……

定尺棒2

使用する道具

【必須】

①チェーンソー ②保護具(冒頭で紹介したもの) ③定尺棒 ④プラスチックくさび ⑤ティンバージャック(木を浮かせる道具)

【有ると便利なもの】

①プラスチックくさび ②斧、鉈 ③メジャー ④チョーク

 

5.運搬

薪の運搬

玉切りした後は、薪割りをする場所まで運搬する必要があります。

が、この運搬作業がとにかく重労働……

たぶん、薪作りの工程の中で一番大変な作業です。

 

①運搬の作業内容

運搬作業としては、玉切りした場所から運搬用の車まで運び出す作業、そして、車で薪割り場までの運搬があります。

特に、玉切りをした場所のすぐ近くまで車が横付けできるような現場は稀で、車まで数10m程度離れているというようなことはザラにあります。

この運搬作業、ただひたすら己の体力との戦いになります(笑)

そして、車の横まで運んだら、車の荷台にひたすら載せる作業になります。

これも体力勝負ですね(笑)

 

②運搬で必要な道具、あると便利な道具

このしんどい作業を少しでも楽にするために、運搬用の道具を準備しておくことをオススメします。

そして、運搬用の車が軽トラックではなく、ミニバンやSUVなど荷台が室内にある車を使う場合、汚れ防止のアイテムを準備しておくと便利ですよ。

使用する道具

【必須】

①作業用手袋や革手袋 ②車

【有ると便利なもの】

①リフティングトング、ウッドクリッパー ②ログキャリー、カンガルーログキャリー ③一輪車(ねこ車) ④ブルーシート ⑤フレコンバック(とん袋)

ミニバンに割った薪や玉切り材を積み込むときに便利なのが、ビニールシートフレコンバック(とん袋)です。

まず、ミニバンの荷室にビニールシートを敷いて、その上にとん袋をセット。

玉切りした木や薪はとん袋の中に入れて、積み終わったら袋の口を締めてしまえば土や木くずが散らばったりしないし、荷崩れ防止にもなりとても便利です。

ミニバンやSUVなどを使って薪を運ぶ方は、是非参考にしてみてください。

 

6.薪割り

薪割り

玉切りした木を適当な太さに割るのが『薪割り』です。

玉切りしてから、期間を開け過ぎると乾燥が進み割り難くなってしまうので、あまり期間を開けずに薪割りしてしまうことをオススメします。

 

①薪割りの作業内容・手順

薪割りの手順は、

①薪割り台に玉切りした木を置く

②斧を持ち、薪割り台から適当な距離を置き、足を肩幅に広げ立つ

③斧を上へ振り上げる

④脇を締め、薪割りする木をめがけて、まっすぐ下に斧を振り下ろす

⑤斧を振り下ろすのに合わせ、膝を曲げ腰を落とす

※斧を振り下ろすときは、薪を割るというよりも、薪割り台に斧を叩き付けるようなイメージで振り下ろすと良いです。

こんな手順で行うと、気持ちよく安全に作業ができると思います。

 

②薪割りで必要な道具、あると便利な道具

斧は、用途(大割り用、小割り用)に合わせて2本くらいあると便利です。斧の選び方とおすすめの斧についての記事はコチラ。

あと、薪割り機や、薪を細かく割るときに重宝するキンドリングクラッカーなどもあると便利ですね。

使用する道具

【必須】

①斧(大割り用、小割り用) ②薪割り台 ③作業用手袋や革手袋

【有ると便利なもの】

①薪割り機 ②キンドリングクラッカー

 

安全作業のためのポイント

そして、意外と薪割り作業で怪我をすることが多いので、注意が必要です。

特に、ありがちな怪我が

①振り下ろした斧が誤って自分の足に当たってしまう

②割った薪が飛んで自分や他の人に当たったてしまう

というような状況です。

危険を回避するための作業のポイント

【振り下ろした斧で足を怪我しないためのポイント】

・足は肩幅に開いて立つ

・振り下ろす斧は斧のヘッドが弧を描くように振り下ろすのではなく、まっすぐ下に振り下ろすことを意識する。

・斧を振り下ろすのと同時に、ひざを曲げ、腰を落とすようにすると、まっすぐ下に振り下ろせるようになります。

この辺に注意すると、振り下ろした斧がスカを食らって自分の足に当たることがなくなります。

【周囲の人を怪我させないためのポイント】

薪割りするときは、周囲(目安:半径3m以内)に人がいないことを十分に確認する

子供と一緒に薪割りをするときは特に注意してください!

 

7.薪棚へ積み込み・乾燥

薪棚2

後は、割った薪を薪棚に積み込んで乾燥させる作業です。

 

①薪棚への積み込み・乾燥の作業内容

薪棚に、割った薪をみっちり詰めたくなりますが、風通しが悪いと乾燥しにくくなってしまうので、あまり詰め込み過ぎないようにします。

詰め終わったら、後は乾燥するのを待つだけ。

元々の木の含水率と薪棚がある場所の日当たり風通しによって必要な乾燥期間は変わりますが、少なくとも半年~1年程度は乾燥させます。

また、乾燥具合を測る指標に『含水率』があり、含水率計を使用することで測定できます。

薪ストーブに適した含水率は20%以下と言われていますので、この値を目安に乾燥具合を確認すると良いでしょう。

薪の乾燥についての詳細はコチラ。

 

②薪棚への積み込み・乾燥で必要な道具、あると便利な道具

使用する道具

【必須】

①作業用手袋や革手袋

【あると便利なもの】

①含水率計

 

意外な危険ポイント

乾燥してくると木が収縮したり反ったりしてくるので、積んだ薪が崩れてくるなんて言うことがあります。

薪が崩れると非常に危険なので、乾燥期間中は定期的に薪が崩れてくる様子がないかチェックをすることをオススメします。

 

次回は、薪割りの仕方をより詳しく解説します!

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